買われた娘は主人のもの
「…コリーン様とテイル様は大好きですから…。でも、お役目はその…好きではないし…私はきっとそのうち、追い出されるから…」

 エイミの言葉を聞いているコリーンは何か言いたげな表情。しかしその言葉は飲み込んだらしく、戸惑いながらエイミに言った。

「エイミ…?…もし御主人様がいらっしゃったら、少しは自分の意思を伝えてみたら…?今ならきっと、聞いていただけるわ」

 エイミはコリーンの提案に首を横に振る。

「いいんです…私は、御主人様に買っていただいた運命を、受け入れなくちゃいけないから…」

「…エイミ…」

 コリーンは静かに湯で泡を流し、エイミをタオルに包んだあとに抱きしめる。

「あなたはもう、可愛い私の妹なの…。何があっても、私はあなたの味方よ…」

「コリーン様…」


 エイミは今日もバラドの誘導されて部屋に向かい、一人きりの夜を迎えたのだった。
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