7日間花嫁を演じたら、冷徹富豪な石油王の極上愛に捕まりました
「ハァ……。物凄い情報量。頭がパンクしそう」

時計の針は午前1時を回っていた。

集中していたせいか眠気の峠はとうに超えてしまっていた。

ずっと同じ姿勢でいたせいか、体がガチガチに凝り固まっている。

大きく背伸びをして少し体を動かそうと部屋から出たとき、一階から物音がした。

もしかして……永斗さん……?

慌てて螺旋階段を下りてリビングへ向かうと、真剣な表情でパソコンと向き合う永斗さんの姿があった。

バッチリ決めていた昼間とは違い、髪を下ろして眼鏡をかけている。

ネクタイを緩めYシャツを腕まくりしている少しだけ隙のある姿にドキッとする。

「永斗さん、あの……おかえりなさい」

恐る恐る声をかける。

「……なんだ、まだ起きていたのか」

驚いたように私を見ると、永斗さんは眼鏡を外して目頭を指で押さえた。

顔色が悪い。相当疲れているように見える。

「今日はありがとうございました……。色々買っていただいて……、それとお昼はマリアおススメのハンバーガーを食べました」

「そうか」

「夕飯はもう済ませましたか?」

「いや、食べる時間がなかった」

「そんな……」

朝だって食べていないのに夕飯まで抜くなんて……。

「お腹は……空いてますか?」

「空いてはいるが、こんな時間にやっているデリバリーは限られる。深夜にハンバーガーなど食べる気にならない」

「あのっ、少し待っていて下さい!」

私は永斗さんに背中を向けてキッチンのある方向へと駆け出した。
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