7日間花嫁を演じたら、冷徹富豪な石油王の極上愛に捕まりました
「お前のような人間がいるなんて俺には信じられない。人間はいつだって自分勝手で自分の利益しか考えない。人を簡単に騙して裏切る」

「そういう人もいるかもしれません。でも、私はそうはなりたくない。それに、永斗さんだってそういう人ではないでしょう？」

「それはどういう意味だ」

私の言葉に永斗さんは不思議そうな表情を浮かべた。

「マリアがこの家に来た経緯を聞きました。永斗さんのことを優しい人だって言ってましたよ」

「雇い主のことを悪く言えば一発で解雇になる。そんな無能な人間を俺が雇う訳がないだろう」

言葉を切ると永斗さんは再びお粥を口に運んだ。

その横顔をマジマジと眺めながらくすっと笑う。

頑なにこちらを見ないなんてもしかしたら少し照れているのかも。

人間らしいところもあったんだな、と私は永斗さんの横顔をほほえましく見つめた。
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