7日間花嫁を演じたら、冷徹富豪な石油王の極上愛に捕まりました
第四章 双方向の愛
「――沙羅様!!体調はいかがですか?」

階段を下りていくと、慌てた様子のマリアが駆け寄ってきた。

「もうすっかり良くなったよ。心配してくれてありがとう。そういえば、お母さんの腰はどう?」

「ぎっくり腰でした。でも、安静にしていればそのうち良くなるみたいです」

「よかった」

ホッと胸を撫で下ろすと、マリアが申し訳なさそうに私を見つめた。

「あの……、沙羅様。具合が悪いのにミラと遊んでくださって……ご迷惑をおかけして本当にすみませんでした」

腰を90度に折って頭を下げるマリア。

「謝らないで!ミラちゃんと遊べてすごく楽しかったよ。また遊びたいな」

そこまで言って笑顔が凍り付く。

また、なんてきっともうない。私はもうすぐ日本に帰るのだ。

アメリカに行くことなんて……きっともう……。

「もちろんです!ぜひまた遊んであげてください。ミラも沙羅様と遊べて楽しかったと言っていました」

笑顔のマリアからそっと目を逸らしたとき、永斗さんがこちらに向かって歩み寄ってきた。
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