7日間花嫁を演じたら、冷徹富豪な石油王の極上愛に捕まりました
「外は寒い。また熱を出したら大変だ」

永斗さんに手を引かれて家の中へ入ると、マリアが駆け寄ってきた。

「沙羅様、大丈夫でしたか!?」

「大丈夫だ。マリア、お前に電話をもらって助かった」

元気のない私を心配して家の中から見守っていてくれたマリアは、敷地内に入ってきた車が海さんのものであることに気付いてすぐに永斗さんに連絡を取ったようだ。

そして、永斗さんは仕事途中で慌てて家に戻ってきた。

「永斗様は普段は冷静沈着なのに、沙羅様のこととなるとまるで別人ですね」

「余計なことを言うなよ、マリア」

「電話で沙羅様の話をしたら、話途中で切れらちゃったからビックリしましたよ」

「それ以上言えばクビにするぞ!」

クスクスと笑うマリアをキッと横目で睨み付ける永斗さん。

「私が散歩に出たせいで……すみませんでした」

「いや、気にするな。沙羅が謝ることではない。むしろ……」

そう言うと、永斗さんは私の手をギュッと掴んだ。

「昼前に仕事に戻る。それまで少し話がしたい」

「……はい」

私は手を引かれ永斗さんの部屋へと招き入れられた。
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