7日間花嫁を演じたら、冷徹富豪な石油王の極上愛に捕まりました
「綺麗だ、沙羅」
近付いてくる永斗さん。私は初めて出会った日のように後ずさりした。
「どうして俺から逃げるんだ」
「それは……」
抗えなくなりそうで怖いからだ。今まで異性に対してこんな風に感情を揺さぶられたことがない。
この人は危険だと私の第六感が警告を発する。この人に関わってはいけないと。
もし関わってしまえば、自分が自分でなくなってしまう。
今までの価値観を根底から覆されそうで怖かった。
ギリギリで保っている理性が彼によって壊されてしまう。
「お願い……、来ないで」
「それは無理な願いだ」
ジリジリと私との距離を縮める永斗さんはそっと私の左手に触れた。
そして私の薬指に大きなダイヤモンドのついた指輪をはめた。
「これ……」
「婚約指輪だ。サイズはどうだ?」
「ピッタリです……」
「そうか、よかった」
永斗さんは満足げに言うと、そっと私の左手の甲にキスをした。
その感触が体の隅々にまで広がる。
初めて会ったときは冷え切って見えた灰色の瞳に優しい炎が灯ったのを感じる。
あの日の冷たい彼とはまるで別人のような情熱に満ちた瞳が私に向けられる。
「沙羅……」
名前を呼ばれただけなのに、私は過剰に反応し顔を赤らめて目を逸らす。
「目を逸らすな」
手首を掴まれあっという間に壁に体を押しつけられて逃げられない状態にされた私に、永斗さんは言う。
「本気で嫌ならもっと抵抗してもいいんだ」
永斗さんは私の両手の指に自分の指を絡ませた状態で私の手の甲を壁に押しつける。
でも、ほとんど力を込めていない。
その言葉通り抵抗すればいつだって私は彼から逃れられる。
「どうする、沙羅。逃げるなら今だぞ?」
「ズルい……。永斗さんはズルいです……」
思わず永斗さんに目を向けると、至近距離で視線が絡み合う。
「その目は無意識なのか?」
「え……?」
「潤んだその目で見つめられたら逆効果だ」
膝ががくがくと震えて立っているのもやっとという状態。
永斗さんの唇が近付いてくる。私がギュッと目をつぶったとき、突然、部屋の扉が開いた。
その気配に私たちは同時に扉に視線を向けた。
視線の先には背の高い男性、その背後には海さんが立っていた。
「――ずいぶん楽しそうだな、永斗」
「父さん……」
永斗さんのお父さん……!?
その言葉に私は別の意味でブルブルと震えた。
近付いてくる永斗さん。私は初めて出会った日のように後ずさりした。
「どうして俺から逃げるんだ」
「それは……」
抗えなくなりそうで怖いからだ。今まで異性に対してこんな風に感情を揺さぶられたことがない。
この人は危険だと私の第六感が警告を発する。この人に関わってはいけないと。
もし関わってしまえば、自分が自分でなくなってしまう。
今までの価値観を根底から覆されそうで怖かった。
ギリギリで保っている理性が彼によって壊されてしまう。
「お願い……、来ないで」
「それは無理な願いだ」
ジリジリと私との距離を縮める永斗さんはそっと私の左手に触れた。
そして私の薬指に大きなダイヤモンドのついた指輪をはめた。
「これ……」
「婚約指輪だ。サイズはどうだ?」
「ピッタリです……」
「そうか、よかった」
永斗さんは満足げに言うと、そっと私の左手の甲にキスをした。
その感触が体の隅々にまで広がる。
初めて会ったときは冷え切って見えた灰色の瞳に優しい炎が灯ったのを感じる。
あの日の冷たい彼とはまるで別人のような情熱に満ちた瞳が私に向けられる。
「沙羅……」
名前を呼ばれただけなのに、私は過剰に反応し顔を赤らめて目を逸らす。
「目を逸らすな」
手首を掴まれあっという間に壁に体を押しつけられて逃げられない状態にされた私に、永斗さんは言う。
「本気で嫌ならもっと抵抗してもいいんだ」
永斗さんは私の両手の指に自分の指を絡ませた状態で私の手の甲を壁に押しつける。
でも、ほとんど力を込めていない。
その言葉通り抵抗すればいつだって私は彼から逃れられる。
「どうする、沙羅。逃げるなら今だぞ?」
「ズルい……。永斗さんはズルいです……」
思わず永斗さんに目を向けると、至近距離で視線が絡み合う。
「その目は無意識なのか?」
「え……?」
「潤んだその目で見つめられたら逆効果だ」
膝ががくがくと震えて立っているのもやっとという状態。
永斗さんの唇が近付いてくる。私がギュッと目をつぶったとき、突然、部屋の扉が開いた。
その気配に私たちは同時に扉に視線を向けた。
視線の先には背の高い男性、その背後には海さんが立っていた。
「――ずいぶん楽しそうだな、永斗」
「父さん……」
永斗さんのお父さん……!?
その言葉に私は別の意味でブルブルと震えた。