7日間花嫁を演じたら、冷徹富豪な石油王の極上愛に捕まりました
「永斗さん、少し聞きたいことがあるんだ」
みんなの涙が止まったタイミングで叔父さんが尋ねた。
「永斗さんの会社はニューヨークにあるんだと言っていたね?結婚したら沙羅もそっちで暮らすことになるのかな?」
「そうですね。そのあたりも沙羅と話し合っていけたらと思っています。沙羅はどう考えてる?」
「私は永斗さんのそばにいたいので、ニューヨークへ行こうと思っています」
もう二度と、永斗さんのそばを離れたくない。
「無理をしていないか?」
「大丈夫です。あっ、でも……たまには日本に帰ってもいいですか?家族に会いたいので」
とはいっても、飛行機代もバカにはならない。年に一回帰らせてもらえればそれで十分だ。
「もちろんだ。慣れない生活をすればストレスもたまるだろう。帰りたくなったらいつでも帰っていい」
「いつでも……?」
思わず首を傾げると、永斗さんは当たり前のように言った。
「自家用ジェットだ。いつでも使える」
海さんだけでなくやはり永斗さんも持っていたのか……。
「自家用ジェット!?」
その場にいた私以外の全員の声が重なり合う。
叔父と叔母は目を見合わせて驚きを露にしていた。
「ご家族の皆さんも沙羅に会いにきてあげて下さい。日本にもジェットがあります。近くのヘリポートまできて頂ければニューヨークに来ていただくことも可能です」
「に、日本にも……?」
「飛行機の方が良かれば都合のいい日を教えて頂けたらこちらで航空券と空港までの迎えも手配します」
「いや、そんなことまでしてもらうわけにはいかないよ」
「私が勝手にしたいだけなので遠慮は無用です。それと茜ちゃん。この間の電話で留学がしたいという話をしていたけどその気持ちは今も変わっていない?」
「え……、はい……」
茜ってば永斗さんとそんな深い話までしていたの……??
「ニューヨークに留学生を受け入れている大学がある。そこは将来通訳の仕事に就きたいという学生の為のカリキュラムが組まれているらしい」
「そこ、あたしが狙ってた学校だ!あっ……、でもあそこ学費がすごく高いんです。だからーー」
「それぐらいださせてくれ。沙羅の家族は私の家族だ。それに、沙羅も茜ちゃんが近くにいてくれたら嬉しいだろう?」
「嬉しいですけど……」
「それなら決まりだ。ただ人気のある学校だから倍率も高いよ。勉強は頑張れそうか?」
「やります……!!私、頑張ります……!!」
茜は目をキラキラと輝かせている。