7日間花嫁を演じたら、冷徹富豪な石油王の極上愛に捕まりました
「沙羅……!」
部屋に入った瞬間、私は入り口の壁に優しく背中を押しつけられた。
片方の手で指を絡めて手を繋ぎ、もう一方で首の後ろを抑えられ唇を奪われる。
「んっ……ふ……っ」
キスは徐々に深くなり、私の口の中を味わう様に永斗さんの舌が差し込まれる。
甘く吸い上げられると体中の力が抜けてしまう。
それに気付いた永斗さんが唇を離す。
大きく息を吸って呼吸を整える私を永斗さんは軽々と抱き上げる。
「永斗さん……?」
「ベッドへ行こう」
「ま、待ってください……。先にシャワーを……」
「ダメだ、もう待てない」
キングサイズのベッドに下ろされると、永斗さんがネクタイを緩めた。
永斗さんのことを見上げながらその美しさに惚れ惚れする。
私……これから永斗さんと本当の意味で結ばれるんだ……。
あまりの緊張に自分の心臓の音が永斗さんに伝わってしまうかもしれないと不安になる。
そんな私の緊張に気付いたのか、永斗さんが私の手をとって自分の胸に押し当てた。
「沙羅だけじゃない。冷静に振舞おうと思っているが、俺も緊張しているんだ」
トクントクンっと手のひらに感じる永斗さんの心臓の音。
「永斗さんも……?」
「当たり前だ。愛する女を抱くのは初めてだからな」
「え……?でも……」
永斗さんは私とは違って女性経験が豊富なはずなのに……。
「俺が愛した女は後にも先にも沙羅だけだ」
永斗さんは優しく私の頬にキスを落とす。
「愛してるよ、沙羅。必ずお前を幸せにする」
「私も永斗さんを愛しています」
目が合い互いに微笑んだあと、永斗さんが私の唇に優しくキスの雨を降らせる。
私は永斗さんの腕の中でこれ以上ない幸せを噛みしめたのだった。