7日間花嫁を演じたら、冷徹富豪な石油王の極上愛に捕まりました
式が始まると、私以上に緊張してガチガチの叔父に微笑みながらバージンロードを歩く。

参列者の中には叔母、それに妹たちの姿もあった。

涙ぐみながら笑顔を浮かべる3人に私まで胸が熱くなる。

まさか私が結婚なんて……。

「愛する人と結婚するのよ」

母の言葉通り私は愛する永斗さんと結婚することができた。

あの時、永斗さんと出会っていなければ今の私はここにはいない。

誓いの言葉と指輪の交換を終える。

結婚指輪は特注で作られた有名ハイジュエリーブランドのオーダーメイドだ。

こんなに高価な物だと身につけるのが怖いと言うと、永斗さんは『沙羅は結婚してからも全然変わらないな』と笑っていた。

「それでは、誓いのキスを」

そう促され、永斗さんが私のベールをめくる。

目が合うと灰色の瞳が私に向けられた。

永斗さんは私を愛おしげに見つめ、目を細めて柔らかく微笑む。

出会ったあの日から、私は気付かぬうちにその瞳に囚われてしまったんだ。

ゆっくりと永斗さんの唇が近付いてくる。

永斗さんからの揺るぎない愛を注がれて、私は世界一幸せな花嫁だ……。

この上ない幸せを噛みしめながら私はゆっくりと目を閉じて愛する人のキスを受け入れたのだった。


【END】
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