元探偵助手、転生先の異世界で令嬢探偵になる。
令嬢探偵、間違える
○
「……と、いう感じでした」
デマール男爵の件を一通り語り終え、シエラはふうっと息をつく。
静かに聞いていたルシウスは、そんなシエラを見て首を傾げた。
「で?」
「え?『で?』とは」
「いやですから、それで終わりですか? 犯人は特定できずじまいでした、と?」
「だ、だって無理じゃないですか?これだけじゃ何もわかりませんよ」
シエラがそう訴えると、ルシウスはあきれたように肩をすくめた。それからデマール男爵の調査書をシエラから取り上げる。
「何もわからない、というわけではないでしょう? マルガリータ・デマール殺害の犯人はわからずとも他に気付いたことはあった。だからこうして男爵家に繋がりのある人物について調べようとしていたのでは?」
「……」
鋭い指摘にしばらく口を閉ざした。確かに、この件に関して気付いたことがある。ただしまだ証拠はない。間違った推理を語れば探偵として信用が……。
「……と、いう感じでした」
デマール男爵の件を一通り語り終え、シエラはふうっと息をつく。
静かに聞いていたルシウスは、そんなシエラを見て首を傾げた。
「で?」
「え?『で?』とは」
「いやですから、それで終わりですか? 犯人は特定できずじまいでした、と?」
「だ、だって無理じゃないですか?これだけじゃ何もわかりませんよ」
シエラがそう訴えると、ルシウスはあきれたように肩をすくめた。それからデマール男爵の調査書をシエラから取り上げる。
「何もわからない、というわけではないでしょう? マルガリータ・デマール殺害の犯人はわからずとも他に気付いたことはあった。だからこうして男爵家に繋がりのある人物について調べようとしていたのでは?」
「……」
鋭い指摘にしばらく口を閉ざした。確かに、この件に関して気付いたことがある。ただしまだ証拠はない。間違った推理を語れば探偵として信用が……。