元探偵助手、転生先の異世界で令嬢探偵になる。




「デマール家は爵位はく奪ですか。まあ当然ですね」



 マルガリータ・デマール殺人事件の真相を突き止めてから十数日後。

 シエラは事件のその後を語るため、ルシウスの元を訪れていた。


 あの後、デマール家の家ぐるみでの薬物使用及び人身売買について明るみに出ることになった。ルシウスの言っていた通り、マルガリータの死因については自死ということで落ち着き、ほとんど注目されることはなかった。

 シエラは家から持ってきた手紙を取り出して見せる。



「ダイアナさんたち、無事に引っ越しが完了したみたいです。国境付近の田舎に親戚が住んでいて、そこで心機一転頑張るつもりだという手紙が届きました。デマール家の爵位はく奪を機にあの地を離れる人も多くて、ダイアナさんたちも何も疑われることなく離れられたみたいですね」

「それは何より。これで全て解決。……と言いたいところですが」

「ええ」



 ルシウスの言葉に、シエラは神妙な面持ちでうなずく。



< 142 / 234 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop