元探偵助手、転生先の異世界で令嬢探偵になる。



「あ、じゃあはい!次の質問!使用人が着ていたローブ、どうやって手に入れたんですか?」



 これに関しては、聞いてはみたが、どうせどこかの部屋から見つけた……とかだろうと思った。

 しかし、その答えは予想の斜め上をいった。



「倒して奪いました」

「……へ?」

「この屋敷に忍び込んだとき、あのローブを着た男が数人襲い掛かってきましてね。適当に相手をして気絶させました

「きぜつ?」

「訓練はされているようでしたが、今一つ動きの俊敏さに欠けていましたね。あの服は、使用人のふりをするのにちょうど良さそうだと思って一つ拝借したんです」

「いやいや、ちょっと待ってください。え、えっと?……あれ、そういえばラドクリフ侯爵のこともずいぶん綺麗なフォームで殴り飛ばしていたような……?てことは、ルシウスさんって、実はめちゃくちゃ強かった……?」

「はは、君は俺に、前世の不健康そうなイメージを持ったままですね?」



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