お前に愛を捧げる〜精神科ドクターの情愛
第一章 親友 剣崎の死
僕は都築光、都築総合病院の精神科医である。

旧姓戸倉光、戸倉家の長男だ。

本来なら戸倉建設株式会社を継ぐ立場なのだが、僕は医者になるのが夢だった。

奨学金で医大に入り、猛勉強をした。

そこで知り合ったのが、都築玲子、都築総合病院のご令嬢だった。

玲子は一人娘の為、親の病院を継がなければならない。

ところが勉強について行けず、僕はいつも勉強を見てあげていた。

「全然わからない、私はやっぱり向いてないのかな」

「かもしれねえな、料理得意なんだからいい男見つけて結婚したらどうだ」

「だめよ、私は自分で都築総合病院を継ぐか、当病院を継げる医者と結婚しなくちゃいけないの」

「大変だな、ご令嬢も」

当時玲子は僕の親友剣崎優と付き合っていた。

運命とは皮肉なものだ。

剣崎もまた剣崎総合病院を継がなくてはならない身だった。

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