お前に愛を捧げる〜精神科ドクターの情愛
その頃、都築総合病院には精神科は設立されておらず、玲子の親父さん、つまり、都築総合病院の医院長が僕に任せてくれると言う事で、転院は免れた。

「戸倉先生、玲子をよろしくお願いします」

「はい、僕の専門分野なので、大丈夫です」

玲子の親父さんの起点で玲子は僕の患者として、入院を続けることが出来た。

毎日、僕が玲子の病室に顔を出すことで、玲子に笑顔が戻ってきた。

食事も食べられるようになった。

「戸倉先生、都築玲子さん、点滴はもう必要ないでしょうか」

担当看護師が僕の指示を仰いできた。

「食事はほとんど食べられるようになったみたいだな、とりあえずやめても大丈夫だな」

「はい」

玲子は個室に入院しているが、誰でも見舞いは可能な状態になっていた。

玲子の旦那が玲子の病室に来た事に気づくことが出来なかった。

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