お前に愛を捧げる〜精神科ドクターの情愛
そんな矢先、僕の弟、戸倉慶が遊びに来た。

「はじめまして、兄貴がお世話になっています、弟の戸倉慶です」

慶の笑顔は玲子の心を和ませてくれた。

「はじめまして、都築玲子です、私がお兄さんにお世話になっているんです、ごめんなさいね、戸倉家からお兄さんを取ってしまって」

玲子はちょっと表情を曇らせて俯いた。

「なんか飲むだろ、待ってろ」

僕はキッチンへ向かった。

「ああ、大丈夫です、親父もはじめから会社は俺にって言ってくれてましたし、
俺は五歳の時の初恋の女性と結婚出来れば文句無いんで、でも兄貴にはまだ内緒でお願いします」

私はびっくりした表情を見せた。

五歳の時の初恋の女性と結婚?

大人になっても幼き頃の思いを寄せていた女性を好きだなんて、なんて純粋で素直な心の持ち主なの?

少年のような気持ちのまま大人になった感じで、そう言えば光もそう言うところあったな。

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