お前に愛を捧げる〜精神科ドクターの情愛
第二章 玲子の見合い結婚
玲子は休学していた大学を中退した。

「戸倉くん、私、お見合いする事になったの」

「見合い?」

「お父さんの知り合いのお医者様で、都築総合病院を継いでくれるんだって」

僕の目の前が真っ暗になった。

「ちょっと待てよ、それでいいのか?」

「もう、どうでもいい」

玲子は納得しないまま、父親の言うなりに見合いして、結婚しようとしている。

それでいいのかよ、いや、良くない。

僕はなんとか玲子を説得しようと奮闘した。

最終目的は自分との結婚だ。

僕はこの時、玲子と結婚して、玲子を支えて、都築総合病院を継ぐ事を決めていた。

ところが、玲子は見合いの相手と結婚してしまった。

「戸倉くん、今までありがとうね、戸倉くんがいなかったら、私は剣崎くんの元に行っていたかもしれない」

「何言ってるんだ、これからも一緒だろ?」

「私ね、結婚したの」

「えっ?」

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