お前に愛を捧げる〜精神科ドクターの情愛
「お見合いしたお医者様と婚姻届提出したの」

「嘘だろ?」

僕は驚きを隠せなかった。

「私ね、そのお医者様と都築総合病院を守っていかないといけないから、
戸倉くんとはもう、会えない、さようなら」

玲子は僕にそう告げると、僕に背を向けた。

信じられない、既に玲子が人妻だなんて。

あまりの急展開に戸惑いを隠せなかった。

僕は剣崎の墓参りに向かっていた。

「おい、剣崎、僕はお前との約束守れなくなった、ごめん」

「戸倉、そんな事ないよ」

えっ?、剣崎の声が聞こえた気がした。

僕は当たりを見回した。

誰もいない、それはそうだろう、まさかな。

「戸倉、こっちだよ」

僕が振り向くと、そこには剣崎が立っていた。

「剣崎」

「結婚した事は玲子の本心じゃないってわかってるだろう」

「それはそうだが……」

「ずっと守ってやってくれ、お前しかいない」

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