お前に愛を捧げる〜精神科ドクターの情愛
僕は下を向いて考えていた。

決心して顔を上げると、剣崎の姿はなかった。

「剣崎」

僕は大声で剣崎を呼んだ。

でも、それ以来、剣崎は現れる事はなかった。

わかったよ、玲子を守って行く。

まずは医者にならないと話にならないな。

僕は猛勉強をしてトップの成績で、卒業した。

その間にも、玲子には頻繁に連絡をした。

案の定、玲子には笑顔がない。

ご主人とは形だけの夫婦の様子だった。

ある日の夜、急に玲子が僕のマンションにやって来た。

「戸倉くん、私……」

玲子は急に泣き出した。

「どうしたんだ、玲子、何があったんだ?」

取り敢えず、玲子をソファに座らせた。

ホットミルクを入れて、玲子が落ち着くのを待った。

しばらくして、玲子はゆっくりと話し始めた。

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