あやかし戦記 妖艶な夜に悪夢を

予想外の協力者

マオ国で旅館の社長を四凶を使って脅し、人を喰わせるということを行った呪術師、イヴァン・メドベージュワは鼻歌を歌いながら地下室への階段を降りていく。重い地下室のドアをノックし、相手が返事をする前にドアを開けた。

「やっほ〜！マオ国から帰ってきたよ。お土産、ここに置いとくね」

派手な中華柄の袋を部屋にいる白衣を羽織った男性に見せつけ、イヴァンは椅子の上に袋を置く。男性は壁に貼られている絵を見ながら、「マオ国で四凶を勝手に始末したらしいな？」と口を開く。その声は低く、怒っているのがわかる。

「怒んないでよ〜。あんなに役に立たないなんて思ってなかったんだし」

「……あいつらを強くするのに、どれだけの時間がかかったと思っている？実験も無料じゃないんだぞ」

絵を見ながら怒り続ける男性に、イヴァンは機嫌を取るように「ごめん〜！」と言いながら抱き着く。そして、男性が見ている絵に目を向けた。

「またあの人の絵を見てるの？」

「……ああ」