あやかし戦記　妖艶な夜に悪夢を
しかし、移動魔法で移動できる人数は最大で五人までと決まっている。そのため、今回ヴィンセントやレオナードには待機してもらい、何かあったらアレス騎士団に協力している魔法使いや魔女たちと共に突入してもらうことになった。

「まずは、変身魔法で魔法使いや魔女になってもらうね。そうしないと一瞬で人間だとバレてしまうから」

ウィリアムが言い、杖をイヅナたちに向ける。そして呪文を唱えれば、イヅナたちの体は白い光に包まれた。

「わあ、素敵！」

チェルシーの声でイヅナが目を開けると、そこには魔法使いや魔女になったツヤたちがいた。衣装が普段と違うため、何だか不思議な気持ちになってしまう。

「イヅナさん、よく似合ってるよ！ギルベルトさんやヴィンセントくんたちがその格好、見たかったんじゃないかな？」

そう微笑むアレンは、赤いネクタイを結んでローブを羽織っている。ウィリアムのかぶっているものより少し小さな帽子をかぶり、どこか照れくさそうにしていた。
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