あやかし戦記 妖艶な夜に悪夢を

「ツヤさん、とっても可愛いです！」

「でしょ？ツヤちゃん、普段からワンピースとかスカートとか着たらいいのに〜」

イヅナとチェルシーが目を輝かせて褒めると、ツヤは「べ、別に似合ってないだろ！」と顔を真っ赤にする。そしてウィリアムに、「早くサバトに案内しろ！」と言った。

「うん、もうサバトが始まる時間だからそろそろ行こうか」

魔法陣の中に入るように言われ、イヅナたちは恐る恐る魔法陣の中に入る。これから行くのは、魔法使いたちしか入ることのできない特別な場所だ。ドキドキとイヅナの胸が高鳴っていく。

ウィリアムが呪文を唱えると、光とともに強い風が巻き起こる。思わず目を閉じ、飛ばされそうになるイヅナを、誰かがしっかりと抱き締めてくれた。



光が消え、あれだけ強く吹いていた風が止むと、ザワザワと賑やかな声が聞こえてくる。イヅナが目をそっと開けると、目の前には「ようこそ、サバトへ」と書かれた看板があり、少し進んだ先には木でできた門が見えた。その向こう側には、たくさんの出店が並び、多くの魔法使いや魔女たちが楽しそうに歩いている。