あやかし戦記 妖艶な夜に悪夢を
男性が見つめているのは、白く長い髪に赤い瞳を持った美しい女性の絵だ。その横には、黒く短い髪に赤い瞳の幼さが残る女性の絵が並べられている。
「あっ、そういえば実験No.1925のツヤに会ったよ」
「本当か!?」
ずっと絵を見ていた男性が、ようやくイヴァンの方を見る。その瞳は恐ろしいほどギラついていた。
「アレス騎士団に所属してるっぽい。記憶がなくなってるみたいだった。僕の名前すら知らなかったよ」
「……そうか」
「あと、人を一人も喰ってないみたい。なのに何であんなに強いんだろう」
「一人も喰っていない!?」
イヴァンの言葉に男性は驚く。実験体にした女性はとにかく強く、凶暴になるよう、時間とお金をかけた。一人も喰っていないなどあり得ない、そう思いながら男性はイヴァンを睨み付ける。
「やだなぁ、僕は何もしてないよ。でも、誰かに呪いをかけられてるみたいだったけどね」
呪い、その言葉を聞いた刹那、男性は恐ろしい形相でもう一度絵の方を見る。二人の女性の絵の横には、バツ印のされた白い髪に赤い髪の女性の絵があった。
「あっ、そういえば実験No.1925のツヤに会ったよ」
「本当か!?」
ずっと絵を見ていた男性が、ようやくイヴァンの方を見る。その瞳は恐ろしいほどギラついていた。
「アレス騎士団に所属してるっぽい。記憶がなくなってるみたいだった。僕の名前すら知らなかったよ」
「……そうか」
「あと、人を一人も喰ってないみたい。なのに何であんなに強いんだろう」
「一人も喰っていない!?」
イヴァンの言葉に男性は驚く。実験体にした女性はとにかく強く、凶暴になるよう、時間とお金をかけた。一人も喰っていないなどあり得ない、そう思いながら男性はイヴァンを睨み付ける。
「やだなぁ、僕は何もしてないよ。でも、誰かに呪いをかけられてるみたいだったけどね」
呪い、その言葉を聞いた刹那、男性は恐ろしい形相でもう一度絵の方を見る。二人の女性の絵の横には、バツ印のされた白い髪に赤い髪の女性の絵があった。