あやかし戦記 妖艶な夜に悪夢を

羽ばたいた鳥のおもちゃは、手下二人の近くで爆発をした。手下二人は一瞬で煤だらけになってしまう。

手下二人が爆発音に驚いている隙に、ツヤとチェルシーが走る。ツヤが杖を少女に向けようとするレジーナを蹴り飛ばし、チェルシーが一人一人を縛る鎖をナタで斬った。

「イヅナちゃん、怖かったでしょ。もう大丈夫よ」

チェルシーに優しく抱き締められ、イヅナは安心感から声を上げて泣いてしまった。



アレンが売られてようとしている人身売買の会場では、アレンが落札される金額がどんどん上がっていく状態が続いていた。

「八百万！」

「九百万！」

「一千万！」

魔法使いや魔女たちが必死になって叫んでいる様子を滑稽だと冷たい目でアレンが見つめていると、バタンと大きな音を立ててドアが開いた。ドアの先にいたのは、何と巨大なクマである。

「うわぁ、何でこんなところにクマが！？」

「嫌だ、早く逃げないと！！」