あやかし戦記 妖艶な夜に悪夢を
「こっちはこっちで大変だったぞ。アレンが捕まったからな」

チターゼが無事に救出したアレンに抱き付きながら言い、何も知らなかったイヅナは「えっ!?」と驚いて顔を上げる。

「救出されたから大丈夫だよ!」

いつもの笑顔でアレンが言ったため、イヅナはホッとした。刹那、ツヤに頬をつねられる。

「全くお前は!あたしたちと離れるわ、店に連れ込まれるわ、徹底的にしごいてやるからな!」

「ええ〜……。今日は勘弁してくださいよ?」

そうそう、勘弁してあげてとエイモンとギルベルトが言い、誰かが笑ったことでそれが伝染していく。一気にほのぼのとした空気になったが、それは「何よ、こんな風に縛って!恥をかかせるつもり!?」と甲高いレジーナの声でまた冷えていく。

「お前は罪人だ。拘束・監視するのは当たり前。それを覚えておけ」

ルーシーがそう言い、レジーナを連行しようとすると、「あれで儲かっていたのよ!?」とまた喚き始める。
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