あやかし戦記 妖艶な夜に悪夢を
「私、あなたのそばにいていいのかわからないの。私はウィリアムとーーー魔法使いと付き合っているのに、魔族を殺すこともある。歳下のまだ未成年の子に、殺し方や戦い方を教えている。こんな私は生きていていいの?」

チェルシーの瞳から涙が溢れる。刹那、チェルシーの体は温もりに包まれた。ウィリアムが強く、まるで離さないと言っているかのように強く抱き締めてきたからだ。

「確かに、チェルシーがしていることを全ての人が受け入れられるわけじゃない。でも僕は、妖から学校やみんなを守ってくれたあの時からずっと、チェルシーのことをヒーローだと思ってる。ずっと隣にいて、ずっと愛し合いたいってそう思ってるよ」

愛してる、そう言われチェルシーの唇がウィリアムのものと重なる。甘く、甘く、とろけてしまいそうなキスだ。

「ありがとう、大好き」

迷ったら何度もキスをしてもらおう、そう思いながらチェルシーは涙を拭い、ウィリアムに笑いかけた。






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