あやかし戦記 妖艶な夜に悪夢を
サバトは、世界中から魔法使いたちが集まり、人間のお祭りのように出店を並べ、商品を売り買いしたり、踊ったりして楽しむ日である。サバトの日は一年に一度しかなく、多くの魔法使いたちがその日を楽しみにしているそうだ。

「実は、そのサバトに潜入してほしいんだ」

「えっ!?」

サバトは魔法使いたちのお祭りのため、人間は入ることができない。魔法使いや魔女は人間に友好的な者が多いと言われているが、人をよく思っていない魔法使いたちもいる。そのため、サバトの会場には結界魔法が張られ、虫一匹入れないとアレス騎士団に入団する前に習った。

「私、アレス騎士団に所属しているとはいえ、ただの人間です。入れるんでしょうか?」

仮に一人で入れたとしても、人間だとバレればどんな目に遭うか想像などつかない。友好的な魔女や魔法使いにうまく隠してもらえればラッキーだが、もしもそれ以外に捕まれば命の保証はない。

「大丈夫だよ〜!今回、協力者がいてくれるから。今回のサバト潜入もその協力者が教えてくれたんだよ」
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