・LOVER—いつもあなたの腕の中—
　きっとマネージャーさんは事務所に帰り私達のことを上層部に報告するはずだ。となれば、当然のように私の会社へも話が行くだろう。私はリュウの同行者として不適合とみなされ、リュウとの仕事からは外されることは明白。


　どうしたらいい？　どうすればいい？


　同じ言葉がグルグルと頭を巡るけれどリュウの提案よりも優れた考えが出てこない。思い悩んだ挙句、なにも思いつかないなんて本当に情けない。


「一先ず俺の部屋に行ってもしマネージャーが部屋まで来たら、その時はホテルで暫くステイするって手もあるし」

「……私のうちじゃ、ダメかな」


　突然の私の提案に「いいの？」なんて素っ頓狂な声で驚いたリュウは、目を見開き私を見つめた。まさか私から同じセリフを聞くとは想像もしていなかったみたい。


「リュウが身を隠すなら未だ事務所に知られていない私の家の方がいいんじゃないかな、と思うんだけど」


　リュウの居場所が特定されない限りホテルに缶詰めになる必要もないだろうし。私としても普段と変わらず生活が出来て仕事に支障なく通えるし。リュウが仕事へ向かう際も、まだマスコミを警戒しなくてもいいのではないかと思ったのだ。
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