・LOVER—いつもあなたの腕の中—
「ただ先に断っておくけど、アパートだから凄く狭いし。収納が少ない部屋だから、色々と散らかってるよ」
それでも構わないなら、と口にするよりも先に「お世話になります!」とリュウの弾んだ声が車内に響いた。
アパートへ向かう途中、一度リュウのマンションへ立ち寄り十五分で身の回りの物を準備するというリュウを横目で見守りながら。私はビクビクしながら上司の深山さんへ連絡を入れた。
仕事のできるマネージャーさんのことだ。既にうちの会社への報告を済ませているに決まっているだろう。
しかし予想は外れ。どうやら、まだリュウのマネージャーさんから会社への連絡が入った様子はなく、突然連絡を入れた私が現場でミスをしたのではないかと、深山さんから心配されてしまった。
「すみません、会社に戻る途中で急に腹痛に襲われて……いたたたっ」
実際にお腹を押さえながら電話をしている私は、明らかに不自然でぎこちない演技を電話越しに繰り広げていて。そんな私の姿を目にしたリュウが声を殺しながら笑っていた。
どうにか社に戻らずに直帰する許しを得た私はリュウに向かいOKサインをして見せると、同じようにOKサインをしながら頷いていたリュウが、なんだか嬉しそうに見えるのは気のせいだろうか。
それでも構わないなら、と口にするよりも先に「お世話になります!」とリュウの弾んだ声が車内に響いた。
アパートへ向かう途中、一度リュウのマンションへ立ち寄り十五分で身の回りの物を準備するというリュウを横目で見守りながら。私はビクビクしながら上司の深山さんへ連絡を入れた。
仕事のできるマネージャーさんのことだ。既にうちの会社への報告を済ませているに決まっているだろう。
しかし予想は外れ。どうやら、まだリュウのマネージャーさんから会社への連絡が入った様子はなく、突然連絡を入れた私が現場でミスをしたのではないかと、深山さんから心配されてしまった。
「すみません、会社に戻る途中で急に腹痛に襲われて……いたたたっ」
実際にお腹を押さえながら電話をしている私は、明らかに不自然でぎこちない演技を電話越しに繰り広げていて。そんな私の姿を目にしたリュウが声を殺しながら笑っていた。
どうにか社に戻らずに直帰する許しを得た私はリュウに向かいOKサインをして見せると、同じようにOKサインをしながら頷いていたリュウが、なんだか嬉しそうに見えるのは気のせいだろうか。