・LOVER—いつもあなたの腕の中—
7
リュウと私の秘密の生活が始まり数週間が過ぎていた。その間、何度かリュウの仕事に同行することもあったが一番心配していた担当者の変更も申し入れされず。何故か穏やかな日常を送っていた。
生活が一転する予定が無かった私の、唯一の変化と言えば。定時後の付き合いが極端に悪くなったことだ。
芽衣からの夕食や飲みの誘いも断り、珍しく晴海ちゃんから誘われた合コンも即答で断る。そして定時と共に足早に家に帰っていた。
何かあれば協力する、と言ってくれていた芽衣にだけはリュウとのことを隠さずに話すようになっていて。ちょくちょく会話の中でリュウの名を口にする私をニヤニヤした顔でからかうのだ。
「なによー」
「別にぃ。幸せそうで何よりですぅ」
「そりゃどうもー」
やってられないわ、と天井を仰いだ芽衣は「そういえば、今夜は副社長の仕事につき合うんだっけ?」と思い出した様に話題を変えた。
「うん。文房具業界のお偉いさん達との親睦を図るために、高級料亭で会食だって」
「秘書の高田さんも行くのよね?」
なのに、どうして私が会食の場に同席することになったのか、不思議がる芽衣だったが。指名を受けた私自身が一番不思議だと思っていた。
生活が一転する予定が無かった私の、唯一の変化と言えば。定時後の付き合いが極端に悪くなったことだ。
芽衣からの夕食や飲みの誘いも断り、珍しく晴海ちゃんから誘われた合コンも即答で断る。そして定時と共に足早に家に帰っていた。
何かあれば協力する、と言ってくれていた芽衣にだけはリュウとのことを隠さずに話すようになっていて。ちょくちょく会話の中でリュウの名を口にする私をニヤニヤした顔でからかうのだ。
「なによー」
「別にぃ。幸せそうで何よりですぅ」
「そりゃどうもー」
やってられないわ、と天井を仰いだ芽衣は「そういえば、今夜は副社長の仕事につき合うんだっけ?」と思い出した様に話題を変えた。
「うん。文房具業界のお偉いさん達との親睦を図るために、高級料亭で会食だって」
「秘書の高田さんも行くのよね?」
なのに、どうして私が会食の場に同席することになったのか、不思議がる芽衣だったが。指名を受けた私自身が一番不思議だと思っていた。