・LOVER—いつもあなたの腕の中—
「凄い……」
「ボケッとするな、行くぞ」
「あ、はい」
料亭の門をくぐり前を歩く副社長に置いて行かれないよう慌てて車のドアを閉め、右足を一歩前に踏み出す。
しかし、それは一瞬の出来事だった。コートの裾が車のドアに挟まれていたことに気付いていなかった私は、その場に座り込み正座していたのだ。
「真島さん、大丈夫ですか?」
私の姿を目撃してしまった高田さんは慌てて傍へ駆け寄ってきてくれた。恥ずかしさを誤魔化すために「すみません、ドジっちゃいました」と照れ笑いをしてみるも。見上げれば、目の前には振り返り驚いた顔の副社長が私を見下ろしていた。
前を歩いていた副社長は、私に何が起こったのか直ぐには把握できていなかったらしく「なぜ、ここで正座?」と不思議そうな顔で私を見つめていて。
ドアを開け、挟まってしまっていたコートを外してくれた高田さんを見て、初めて何があったのか悟ったようだ。
「何やってんだよ」
言葉とは裏腹に副社長の手が伸びてきて私の腕を取ると、黙って引き上げてくれた。その力に導かれるように立ち上がると。同時に、私の中で不思議な感覚を覚えていた。
「ボケッとするな、行くぞ」
「あ、はい」
料亭の門をくぐり前を歩く副社長に置いて行かれないよう慌てて車のドアを閉め、右足を一歩前に踏み出す。
しかし、それは一瞬の出来事だった。コートの裾が車のドアに挟まれていたことに気付いていなかった私は、その場に座り込み正座していたのだ。
「真島さん、大丈夫ですか?」
私の姿を目撃してしまった高田さんは慌てて傍へ駆け寄ってきてくれた。恥ずかしさを誤魔化すために「すみません、ドジっちゃいました」と照れ笑いをしてみるも。見上げれば、目の前には振り返り驚いた顔の副社長が私を見下ろしていた。
前を歩いていた副社長は、私に何が起こったのか直ぐには把握できていなかったらしく「なぜ、ここで正座?」と不思議そうな顔で私を見つめていて。
ドアを開け、挟まってしまっていたコートを外してくれた高田さんを見て、初めて何があったのか悟ったようだ。
「何やってんだよ」
言葉とは裏腹に副社長の手が伸びてきて私の腕を取ると、黙って引き上げてくれた。その力に導かれるように立ち上がると。同時に、私の中で不思議な感覚を覚えていた。