・LOVER—いつもあなたの腕の中—
なんだろう、この不思議な感じは。前に何処かで同じような感覚を体験したことがある気がする。
何時だったかな……。
思い出そうとしていた私の背中に副社長の右手が添えられ。軽く押し出されたため否応なしに現実へ引き戻され歩きだしていた。
玉砂利の敷かれた玄関口までの道はパンプスに不慣れな私にとって歩き難く。足をとられると体勢を崩し、よろめいてしまう。その度に背中に添えられた副社長の手が私の身体を支えてくれた。
リュウ以外の男性に触れられているというのに嫌だと感じないのは、二人が兄弟だからなのだろうか。それとも、双子だから添えられている手の感触も似ていると勘違いし、脳がリュウの手だと錯覚してしまっているのか。
なんにせよ、添えられている副社長の手を嫌だと思っていないのは事実。
料亭の女将に迎えられ座敷へと案内された。曲がりくねった廊下を進みながら、迷子にならないよう副社長の後ろにぴったりとついて歩く。
作り込まれた日本庭園がライトアップされていて目を奪われてしまい。案の定、立ち止まった副社長に気付かず背中に追突したことは言うまでもない。
女将に障子を開けられ、副社長に続き座敷へ入ると。そこには、文房具業界各社のトップ達が顔を連ねていた。
何時だったかな……。
思い出そうとしていた私の背中に副社長の右手が添えられ。軽く押し出されたため否応なしに現実へ引き戻され歩きだしていた。
玉砂利の敷かれた玄関口までの道はパンプスに不慣れな私にとって歩き難く。足をとられると体勢を崩し、よろめいてしまう。その度に背中に添えられた副社長の手が私の身体を支えてくれた。
リュウ以外の男性に触れられているというのに嫌だと感じないのは、二人が兄弟だからなのだろうか。それとも、双子だから添えられている手の感触も似ていると勘違いし、脳がリュウの手だと錯覚してしまっているのか。
なんにせよ、添えられている副社長の手を嫌だと思っていないのは事実。
料亭の女将に迎えられ座敷へと案内された。曲がりくねった廊下を進みながら、迷子にならないよう副社長の後ろにぴったりとついて歩く。
作り込まれた日本庭園がライトアップされていて目を奪われてしまい。案の定、立ち止まった副社長に気付かず背中に追突したことは言うまでもない。
女将に障子を開けられ、副社長に続き座敷へ入ると。そこには、文房具業界各社のトップ達が顔を連ねていた。