・LOVER—いつもあなたの腕の中—

　そんな私の意地悪な質問さえ、リュウにとっては問題ではないと笑う。唇に人差し指を当て考えながらわざと少し困ったように振る舞ったリュウは「んー、その時はマネージャーに出てもらうかも」などと言い放った。


「それじゃあ私がマネージャーさんから怒られちゃうじゃない。仕事中に連絡してくるなんて非常識だとか。マネージャーさんにとって私は目障りな存在なんだから」


　リュウから離れろと忠告されたというのに、それを無視して付き合い続けているのだから。そんな私が海外で仕事中のリュウへくだらない連絡などを入れたとしたら、いい顔をするわけがない。
　例え電話に出てくれたとしても、すんなりリュウへ繋いでくれる保証など無いし。それどころか、私だと分かった瞬間に着信拒否されてしまうかも。

　余計なことまで考え始めてしまい、急に黙り込んだ私の唇にキスの雨を降らせたリュウから見つめられ。「心配しなくていいよ、優羽がしたいようにして」とイタズラっぽい笑顔を向けられてしまったら、なんだか本当に大丈夫のような気がしてしまうのだから不思議だ。


「優羽こそ仕事頑張り過ぎて無理しないでよ？　倒れたとか連絡受けても、飛んで帰ってこれないんだからさ」