・LOVER—いつもあなたの腕の中—
昼間副社長のことでモヤモヤしていた私は、帰宅途中久しぶりに文具店に向かっていた。
リュウと付き合い始める前は、時間が出来れば文具店に立ち寄り。文具店巡回と称し新商品のお試しを自ら行ったり、市場での客層に人気の商品を偵察したりしていた。
「あれ? 珍しい人が店内にいる。依頼された通りポスターは店内で一番目立つ壁に貼ったよ。見て」と店長に声をかけられ、その後を追うと。壁に貼られていたリュウのポスターを愛しそうに眺めている女子高生達が数人囲んでいた。
こういう姿を目の当たりにすると「ワガママを言ってはダメだ」と実感してしまう。
本物のリュウに会いたい、触れたいと願う人達が沢山いるのに。プライベートは私が独り占めしているのだから。
「彼、人気だよね。このポスターも剥がしたら欲しいと頼んでくるお客さんが多いんだ」と店長に改めて言われ嬉しくなり笑みが零れる。けれど、非売品であるポスターは基本的に誰かに譲ることは無く廃棄される予定だ。
そのことを知っていたのか、リュウは敢えて写真集に同じ構図でポージングした写真を選んでいたっけ。リュウ自身も気に入っていた一枚だから、記念として残しておきたかったのかもしれないけれど。
きっとファン心理を知り尽くしたスタッフとも相談し、載せる運びとなったのだろう。
リュウと付き合い始める前は、時間が出来れば文具店に立ち寄り。文具店巡回と称し新商品のお試しを自ら行ったり、市場での客層に人気の商品を偵察したりしていた。
「あれ? 珍しい人が店内にいる。依頼された通りポスターは店内で一番目立つ壁に貼ったよ。見て」と店長に声をかけられ、その後を追うと。壁に貼られていたリュウのポスターを愛しそうに眺めている女子高生達が数人囲んでいた。
こういう姿を目の当たりにすると「ワガママを言ってはダメだ」と実感してしまう。
本物のリュウに会いたい、触れたいと願う人達が沢山いるのに。プライベートは私が独り占めしているのだから。
「彼、人気だよね。このポスターも剥がしたら欲しいと頼んでくるお客さんが多いんだ」と店長に改めて言われ嬉しくなり笑みが零れる。けれど、非売品であるポスターは基本的に誰かに譲ることは無く廃棄される予定だ。
そのことを知っていたのか、リュウは敢えて写真集に同じ構図でポージングした写真を選んでいたっけ。リュウ自身も気に入っていた一枚だから、記念として残しておきたかったのかもしれないけれど。
きっとファン心理を知り尽くしたスタッフとも相談し、載せる運びとなったのだろう。