・LOVER—いつもあなたの腕の中—
「どっちも俺だよ、優羽」
「はい? なに言ってるの?」
大きく息を吐き天井を仰いだリュウは。瞼を閉じ髪を掻きあげると私に顔を向け、落ち着いた口調で話し出した。
「西田リュウも副社長も俺、吉野隆好。たまに俺の代わりで隆好として出社していたのは、弟の裕隆だ」
「ん? ん? ん? ごめん、ちょっと待って」
話が複雑でよく分からないんだけど。副社長の吉野隆好がリュウで、本人なの? で、代役を務めていたのが弟の吉野裕隆さんってこと?
リュウの説明を制止しこめかみ辺りを両手で押さえ。無い知恵を絞り考えてみるも、点と点をうまく繋げることが出来なくて、腑に落ちないことばかり思い浮かぶ。
私が副社長室に出向き、リュウと再会した時。確かに副社長とリュウが居たけれど。
あの日のリュウが本人だったのなら、私は弟の裕隆さんが代わりを務めていた副社長と初対面していたってこと?
「前にリュウが副社長の弟だって副社長から聞いたよ? あの時、私の質問に答えてくれた副社長はリュウだったの?」
「そうだよ」
二人が入れ替わっていることに気付かれることを恐れ、咄嗟にリュウが弟の裕隆だと嘘をついてしまったのだというのだ。
「はい? なに言ってるの?」
大きく息を吐き天井を仰いだリュウは。瞼を閉じ髪を掻きあげると私に顔を向け、落ち着いた口調で話し出した。
「西田リュウも副社長も俺、吉野隆好。たまに俺の代わりで隆好として出社していたのは、弟の裕隆だ」
「ん? ん? ん? ごめん、ちょっと待って」
話が複雑でよく分からないんだけど。副社長の吉野隆好がリュウで、本人なの? で、代役を務めていたのが弟の吉野裕隆さんってこと?
リュウの説明を制止しこめかみ辺りを両手で押さえ。無い知恵を絞り考えてみるも、点と点をうまく繋げることが出来なくて、腑に落ちないことばかり思い浮かぶ。
私が副社長室に出向き、リュウと再会した時。確かに副社長とリュウが居たけれど。
あの日のリュウが本人だったのなら、私は弟の裕隆さんが代わりを務めていた副社長と初対面していたってこと?
「前にリュウが副社長の弟だって副社長から聞いたよ? あの時、私の質問に答えてくれた副社長はリュウだったの?」
「そうだよ」
二人が入れ替わっていることに気付かれることを恐れ、咄嗟にリュウが弟の裕隆だと嘘をついてしまったのだというのだ。