・LOVER—いつもあなたの腕の中—
声をかけた私を見て「知らない女だ」といった感じで副社長は不思議そうな顔をして首を傾げていたし、完全無視をされた。
あの日の副社長が弟さんの方だった、と言われたら納得がいく。で、リュウから指名を受け副社長室で会った時は、二人同時に顔を合わせたのだから。
弟さんが副社長役をしていた、ということになるわけで。冷たくて気持ちのこもっていない話し方だと感じたのは、そのせいだったのかと裏付けることができる。
私が顔を合わせていた副社長はリュウだった、ということならば。二人が似ていると感じたり同じ香りがしてリュウを無意識に思い出したり、副社長と重なりリュウに見えてしまっていたことも説明がつく。
副社長のことがリュウに見えてしまったのは、勘違いなどではなかったのだ。私の目は正しく、リュウのように感じてしまったことも、間違いではなかった。
少なくとも私は、一度も二人を見間違えたりなどしていなかったということになる。
リュウのふりをした裕隆さんとキスしてしまったこと以外は。
「あぁ、やっと話せた」
あの日の副社長が弟さんの方だった、と言われたら納得がいく。で、リュウから指名を受け副社長室で会った時は、二人同時に顔を合わせたのだから。
弟さんが副社長役をしていた、ということになるわけで。冷たくて気持ちのこもっていない話し方だと感じたのは、そのせいだったのかと裏付けることができる。
私が顔を合わせていた副社長はリュウだった、ということならば。二人が似ていると感じたり同じ香りがしてリュウを無意識に思い出したり、副社長と重なりリュウに見えてしまっていたことも説明がつく。
副社長のことがリュウに見えてしまったのは、勘違いなどではなかったのだ。私の目は正しく、リュウのように感じてしまったことも、間違いではなかった。
少なくとも私は、一度も二人を見間違えたりなどしていなかったということになる。
リュウのふりをした裕隆さんとキスしてしまったこと以外は。
「あぁ、やっと話せた」