・LOVER—いつもあなたの腕の中—
独占欲から代役を頼んでいた弟さんと親しくなることも事前に阻止しようと、涙ぐましい努力を重ねていた隆好が何とも意地らしい。そこまで好かれていたなんて、知らなかった自分が恐ろしく間抜けでアホに感じる。
上手く言えないけれど、私が見て来た「西田リュウ」にも「吉野隆好」にも。全て同一人物だった彼の魅力に惹かれていたことは、事実だったのだ。
「優羽の傍に居たい一心で、公私混同しているなんてね。こんな俺のこと、呆れた? 嫌になった?」
「うん。一歩間違えたら、このご時世ではストーカー扱いかな」
「酷い言い様だなぁ」と腕組みをして瞼を閉じた隆好の長いまつげにキスを落とす。
私を好きになるほど、秘密を明かした時の反応を考えると怖くなり。結果、グズグズと言えずにいたのだという。
あ、もしかして。さっき私が隠し事をしていた時の苦しい気持ちをずっと抱えていたの?
「だから決して嘘をつきっぱなしでいようとか、騙し通そうとか考えていたわけじゃないから」
「そこだけは信じて!」と懇願するリュウが可愛くて愛おしい。私とは違い、一言も口にせずに。ひとりで密かに努力を重ねてくれていた隆好に感謝しかない。
上手く言えないけれど、私が見て来た「西田リュウ」にも「吉野隆好」にも。全て同一人物だった彼の魅力に惹かれていたことは、事実だったのだ。
「優羽の傍に居たい一心で、公私混同しているなんてね。こんな俺のこと、呆れた? 嫌になった?」
「うん。一歩間違えたら、このご時世ではストーカー扱いかな」
「酷い言い様だなぁ」と腕組みをして瞼を閉じた隆好の長いまつげにキスを落とす。
私を好きになるほど、秘密を明かした時の反応を考えると怖くなり。結果、グズグズと言えずにいたのだという。
あ、もしかして。さっき私が隠し事をしていた時の苦しい気持ちをずっと抱えていたの?
「だから決して嘘をつきっぱなしでいようとか、騙し通そうとか考えていたわけじゃないから」
「そこだけは信じて!」と懇願するリュウが可愛くて愛おしい。私とは違い、一言も口にせずに。ひとりで密かに努力を重ねてくれていた隆好に感謝しかない。