・LOVER—いつもあなたの腕の中—
「やだぁ」
晴海ちゃんの隣りに座っていた、受付嬢の黄色い声がロビーに響き。周囲の目が一斉に受付カウンターへと向けられた。
その下品さに耐え切れず遠目に様子を窺っていた私は思わず飛び出し、一直線に受付カウンターへと向かう。
「副社長!」
「なんだよ」
声をかけた私に返された言葉は、明らかに反発心剥き出しの口調で。その左手には、しっかりと受付嬢の手を握られているではないか。
いくら代役だとはいえ、隆好の品格まで下げることないじゃない。今まで通り普通にしてくれていたらいいのに。
これじゃあ代役を務めてもらうより「本日、副社長は不在」とした方がいいんじゃないの?
「社内でこういうことは。お客様からも見られていますし」
もう少し場をわきまえて下さい、遠慮してくださいと小声で伝え。握り合っている二人の手を強引に掴み引き裂く。
ホッとしたのもつかの間、裕隆さんは「あれ? 俺がこの子に声をかけたから嫉妬してるの?」などと口角を少し上げ、意味深に笑ったりしたから。
周囲の目も「そのように」見えてしまったのだろう。焼きもちを妬いた私が、二人の仲を邪魔しようとしたと言わんばかりのヒソヒソ声が耳に入ってくる。
晴海ちゃんの隣りに座っていた、受付嬢の黄色い声がロビーに響き。周囲の目が一斉に受付カウンターへと向けられた。
その下品さに耐え切れず遠目に様子を窺っていた私は思わず飛び出し、一直線に受付カウンターへと向かう。
「副社長!」
「なんだよ」
声をかけた私に返された言葉は、明らかに反発心剥き出しの口調で。その左手には、しっかりと受付嬢の手を握られているではないか。
いくら代役だとはいえ、隆好の品格まで下げることないじゃない。今まで通り普通にしてくれていたらいいのに。
これじゃあ代役を務めてもらうより「本日、副社長は不在」とした方がいいんじゃないの?
「社内でこういうことは。お客様からも見られていますし」
もう少し場をわきまえて下さい、遠慮してくださいと小声で伝え。握り合っている二人の手を強引に掴み引き裂く。
ホッとしたのもつかの間、裕隆さんは「あれ? 俺がこの子に声をかけたから嫉妬してるの?」などと口角を少し上げ、意味深に笑ったりしたから。
周囲の目も「そのように」見えてしまったのだろう。焼きもちを妬いた私が、二人の仲を邪魔しようとしたと言わんばかりのヒソヒソ声が耳に入ってくる。