・LOVER—いつもあなたの腕の中—
おまけに、追い打ちをかけるように晴海ちゃんからも疑われてしまった。
「もしかして先輩も一緒に行きたいんですか? いいですよー、一人くらい増えても問題ないです」
「いや、そうじゃなくて……」
ロビーに居合わせた人達の視線が痛い。
今更ながら隆好に言われたことを思い出し後悔してしまう。隆好の言っていた通り、私は余計なことはせずに隆好のことだけを見ていればよかった。
俳優の仕事も副社長職も片手間にこなしているような人だったら、このまま裕隆さんの言動などに目を瞑っていられただろうけれど。
どちらの仕事に対しても隆好の真面目さを家の中でも外でも変わらない、その姿を傍で目にするようになってしまったから。
どうしても黙っていられなくて、思わず身体が動いてしまったのだ。
「ごめんね、なんか真島さんが激怒してるみたいだから。後で連絡するね」
軽く手を挙げ、晴海ちゃん達に声をかけた裕隆さんは。何故か私の手首を掴むと強引に歩き出し、その場から離れた。
「あの、副社長⁈」
後ろからの眺めは隆好と変わらなくて。同じ背格好だし、さっき私を見つめた視線も同じだった。
声も仕草も。やっぱり双子は似ている所が多いな、と毎度実感するけれど。
「もしかして先輩も一緒に行きたいんですか? いいですよー、一人くらい増えても問題ないです」
「いや、そうじゃなくて……」
ロビーに居合わせた人達の視線が痛い。
今更ながら隆好に言われたことを思い出し後悔してしまう。隆好の言っていた通り、私は余計なことはせずに隆好のことだけを見ていればよかった。
俳優の仕事も副社長職も片手間にこなしているような人だったら、このまま裕隆さんの言動などに目を瞑っていられただろうけれど。
どちらの仕事に対しても隆好の真面目さを家の中でも外でも変わらない、その姿を傍で目にするようになってしまったから。
どうしても黙っていられなくて、思わず身体が動いてしまったのだ。
「ごめんね、なんか真島さんが激怒してるみたいだから。後で連絡するね」
軽く手を挙げ、晴海ちゃん達に声をかけた裕隆さんは。何故か私の手首を掴むと強引に歩き出し、その場から離れた。
「あの、副社長⁈」
後ろからの眺めは隆好と変わらなくて。同じ背格好だし、さっき私を見つめた視線も同じだった。
声も仕草も。やっぱり双子は似ている所が多いな、と毎度実感するけれど。