・LOVER—いつもあなたの腕の中—
「いいわけないだろ。だからこうして、俺は俺だと社内で主張を始めただけだ」
私の前で「周囲にバレたのなら、好都合だ」なんて口にしているくせに。その憎まれ口を言っている内容も行動も、少し矛盾していると気づいていないの?
隆好を傷つけないために「黙っていろ」と私に忠告しているのに。やっぱり周囲には本来の自分に気付いてほしいと思っているじゃない。
だから。わざと隆好のイメージを崩すような真似をしていることに気付いていないの?
そんなことを考えながら裕隆さんを見つめてしまっていた私の視線と、裕隆さんの視線が合う。彼の本音を聞いてしまったからなのか、チャラチャラしていた裕隆さんを目にして内心ガッカリした気分だったはずなのに。
なぜか胸の奥がドキン、と反応してしまった。
「なに? 俺に惚れた?」
突如発せられた予想外の言葉に対し、返答できずに視線を逸らし。俯いたまま黙ってしまった。
こうして言い当ててくるところなどは、隆好に似ている。
いや、違う違う。惚れてはいないのよ。
ただ、隆好と同じ優し気な瞳で見つめられ、綺麗な声で囁かれたから油断しただけ。
隆好と錯覚してしまった……だけなの。
私の前で「周囲にバレたのなら、好都合だ」なんて口にしているくせに。その憎まれ口を言っている内容も行動も、少し矛盾していると気づいていないの?
隆好を傷つけないために「黙っていろ」と私に忠告しているのに。やっぱり周囲には本来の自分に気付いてほしいと思っているじゃない。
だから。わざと隆好のイメージを崩すような真似をしていることに気付いていないの?
そんなことを考えながら裕隆さんを見つめてしまっていた私の視線と、裕隆さんの視線が合う。彼の本音を聞いてしまったからなのか、チャラチャラしていた裕隆さんを目にして内心ガッカリした気分だったはずなのに。
なぜか胸の奥がドキン、と反応してしまった。
「なに? 俺に惚れた?」
突如発せられた予想外の言葉に対し、返答できずに視線を逸らし。俯いたまま黙ってしまった。
こうして言い当ててくるところなどは、隆好に似ている。
いや、違う違う。惚れてはいないのよ。
ただ、隆好と同じ優し気な瞳で見つめられ、綺麗な声で囁かれたから油断しただけ。
隆好と錯覚してしまった……だけなの。