・LOVER—いつもあなたの腕の中—
 どうする? あれだけ沢山のオフショットが編集されて一本のストーリー化した映像になっているのだから、ちょっと見てみたい気もするけど。
 実際、同じ現場に居合わせていたのだから遠慮するべきと言われたら、それまでだし。


「あー、どうしよう」


 ひとり頭を抱えデスクに突っ伏す。

 そもそも私が付き合っているのが「西田リュウ」だから、マネージャーさんはいい顔をしないのであって。


 副社長である「吉野隆好」と付き合っているのなら、なんら問題はないわけでしょ? じゃあ今度は裕隆さんに「西田リュウ」となってもらって、隆好は副社長として出席したらいいんじゃない?
 ……って、そんなうまいこと行くはずないか!


 第一、隆好の代わりはしないと裕隆さんは決めたのだから。リュウの代わりを務めてもらうということは……さ。
 結局、裕隆さんが隆好の代わりをしていることに変わりないじゃない。


『優羽は、そのままでいいんだよ』


 昨夜、隆好が言っていた言葉が頭を過った。
 どうしてこんな時に隆好の言葉を思い出してしまったのだろう。双子のことに関しては、私の思うままにしてはいけないはずだ。
 なのに、どうして……。
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