・LOVER—いつもあなたの腕の中—
最近の裕隆さんが社内でどんな様子なのか隆好に報告しようにも、秘書の高田さんの目の届いていない所で起きていること等は、隆好の耳にも入っていないのだろう。
ならば、一先ず隆好に詰め寄っている深山さんを止めなければ。
「そうなんです! 私には大切な恋人がいるんです。凄く素敵な人で、私には彼しか見えないんです」
あぁ、何を言っているんだ私は。本人の前で、恋人宣言なんかしてどうするのよ。
隆好と深山さんの前でバカみたいに大きな声を出し恋人宣言しているとか。意味が分からないし、笑ってしまうくらい恥ずかしい。
しかも、隆好と深山さんから同時に見られている。カーッと血が上り、顔全体が火照ってきてしまったのが自分でも分かるくらいだから。二人には絶対に茹でダコ状態の私に見えているに違いない。
「えっと……」
これ以上は無理だ。今の状況に耐えられるようなメンタルを持ち合わせていないから。
この場から逃げるしかない!
後ずさりし「失礼しますっ」と口にする瞬間に回れ右でダッシュする。一目散に逃げだした私は、深山さんから何度か名前を呼ばれたが。振り返ることなく真っすぐな廊下を走り、一つ目の角を曲がった。
ならば、一先ず隆好に詰め寄っている深山さんを止めなければ。
「そうなんです! 私には大切な恋人がいるんです。凄く素敵な人で、私には彼しか見えないんです」
あぁ、何を言っているんだ私は。本人の前で、恋人宣言なんかしてどうするのよ。
隆好と深山さんの前でバカみたいに大きな声を出し恋人宣言しているとか。意味が分からないし、笑ってしまうくらい恥ずかしい。
しかも、隆好と深山さんから同時に見られている。カーッと血が上り、顔全体が火照ってきてしまったのが自分でも分かるくらいだから。二人には絶対に茹でダコ状態の私に見えているに違いない。
「えっと……」
これ以上は無理だ。今の状況に耐えられるようなメンタルを持ち合わせていないから。
この場から逃げるしかない!
後ずさりし「失礼しますっ」と口にする瞬間に回れ右でダッシュする。一目散に逃げだした私は、深山さんから何度か名前を呼ばれたが。振り返ることなく真っすぐな廊下を走り、一つ目の角を曲がった。