・LOVER—いつもあなたの腕の中—
「あなたと話しているのが見えたから、リュウを捕まえられると思って全力疾走して来たのに。あー残念!」
「捕まえておかなくてすみません」
彼がソワソワしていたのは、彼女の姿が遠くに見えたからだったのか。あれ? それじゃあ、元々仕事から逃げていた時に私とぶつかったってこと? なによ。だったら西田リュウもよそ見してたってことじゃない!
「いいのいいの。たまに逃走するのよ、ごめんなさいね」
呼吸を整えた女性は、西田リュウの向かった方向へ走り出した。そんな彼女の姿を見送りながら「頑張れー」と胸の中でエールを送る。
どんな人でも、仕事から逃げたい時があるんだなぁ。それに比べたら呑気に仕事をしている私って、結構幸せ者じゃない? 仕事に行き詰まることなんて、殆どないしさ。学生の頃から好きだった文房具に囲まれて仕事が出来てるんだから。
新しいスマホを見つめながら、ふと気づく。
彼は自分の番号を入力して、このスマホが使えるか確認していたんだっけ。で、ちゃんと西田リュウのスマホが鳴った。
「ということはさ、私がマネージャーさんの前で電話してみればよかったんじゃない?」
「捕まえておかなくてすみません」
彼がソワソワしていたのは、彼女の姿が遠くに見えたからだったのか。あれ? それじゃあ、元々仕事から逃げていた時に私とぶつかったってこと? なによ。だったら西田リュウもよそ見してたってことじゃない!
「いいのいいの。たまに逃走するのよ、ごめんなさいね」
呼吸を整えた女性は、西田リュウの向かった方向へ走り出した。そんな彼女の姿を見送りながら「頑張れー」と胸の中でエールを送る。
どんな人でも、仕事から逃げたい時があるんだなぁ。それに比べたら呑気に仕事をしている私って、結構幸せ者じゃない? 仕事に行き詰まることなんて、殆どないしさ。学生の頃から好きだった文房具に囲まれて仕事が出来てるんだから。
新しいスマホを見つめながら、ふと気づく。
彼は自分の番号を入力して、このスマホが使えるか確認していたんだっけ。で、ちゃんと西田リュウのスマホが鳴った。
「ということはさ、私がマネージャーさんの前で電話してみればよかったんじゃない?」