・LOVER—いつもあなたの腕の中—
もしかしたら油断して出たかもしれない。こっちに西田リュウの番号が残っているということは、私の番号もしっかり向こうに表示されたはずだし。
まぁ、今更言っても遅いか。
ぼんやりとスマホを見つめていると、ディスプレイのバックライトが点き、同時に着信音が鳴った。発信元は見知らぬ番号だ。
「じゃない! これってさっきも見た番号。ということは、西田リュウから?」
慌てて人波から外れるようにガードレールの傍に逃げ、通話ボタンを押し左耳にスマホを当てる。こちらが「もしもし」と口にする前に、電話の向こうの西田リュウが話し出した。
『もしもーし、さっきはどうも。その後まっすぐ帰ってる?』
やはり本人からだった。さっき一緒に居た時と同じ、澄んだ綺麗な声が耳にダイレクトに聞えるから、なんだか耳元で囁かれているように感じ。西田リュウの声に聞き入ってしまい、不思議と心地よくなってきてしまう。
『おーい、聞こえてる?』
「え? あっ、はい。私は会社に向かってます。って違う! マネージャーさんがあなたを探してましたよ」
マズイ。声に聞き惚れてボーッとしちゃってた。
落ち着け、私!
まぁ、今更言っても遅いか。
ぼんやりとスマホを見つめていると、ディスプレイのバックライトが点き、同時に着信音が鳴った。発信元は見知らぬ番号だ。
「じゃない! これってさっきも見た番号。ということは、西田リュウから?」
慌てて人波から外れるようにガードレールの傍に逃げ、通話ボタンを押し左耳にスマホを当てる。こちらが「もしもし」と口にする前に、電話の向こうの西田リュウが話し出した。
『もしもーし、さっきはどうも。その後まっすぐ帰ってる?』
やはり本人からだった。さっき一緒に居た時と同じ、澄んだ綺麗な声が耳にダイレクトに聞えるから、なんだか耳元で囁かれているように感じ。西田リュウの声に聞き入ってしまい、不思議と心地よくなってきてしまう。
『おーい、聞こえてる?』
「え? あっ、はい。私は会社に向かってます。って違う! マネージャーさんがあなたを探してましたよ」
マズイ。声に聞き惚れてボーッとしちゃってた。
落ち着け、私!