・LOVER—いつもあなたの腕の中—
「裕隆副社長、私に何か?」
背中に向かい声をかけると、ゆっくりと振り向いた裕隆さんが私に向かい手招きをした。
訳も分からず手招きに引き寄せられるように、裕隆さんへ近づくと。急に私の腕を取る裕隆さんに強く引き寄せられ、抱きしめられたのだ。
「……隆好」
久しぶりに感じる隆好と同じ感触に抱きしめられた私は、気が緩み隆好の名を呟いてしまっていた。
そんな私に呆れたように「おいおい、もう勘が鈍ったか? 俺、隆好じゃないけど?」と耳元で裕隆さんに囁かれ、我に返った。
「あ! ごめんなさいっ、すみません!」
後ろへ飛ぶように離れた私の反応を見て大ウケしている裕隆さんから「隆好の身代わりになってほしいなら、一晩位相手してやるけど?」とからかわれてしまった。
「結構です!」
プイッと顔を背け頬を膨らませた私の目の前に、一枚の紙切れがヒラヒラとぶら下げられた。
「これ、なんですか?」
「見ての通り辞令だよ。来月からアンタが働くことになる職場への異動命令だ」
辞令の紙を受け取り目を通していると「本社近くの店舗でもよかったんだけど、せっかく本社勤務していたし。移動先の上司からも直々にアンタに来てほしいって指名を受けたからさ」と本社を離れることになる私を気遣うように、話してくれていた裕隆さんへ顔を向け答える。
背中に向かい声をかけると、ゆっくりと振り向いた裕隆さんが私に向かい手招きをした。
訳も分からず手招きに引き寄せられるように、裕隆さんへ近づくと。急に私の腕を取る裕隆さんに強く引き寄せられ、抱きしめられたのだ。
「……隆好」
久しぶりに感じる隆好と同じ感触に抱きしめられた私は、気が緩み隆好の名を呟いてしまっていた。
そんな私に呆れたように「おいおい、もう勘が鈍ったか? 俺、隆好じゃないけど?」と耳元で裕隆さんに囁かれ、我に返った。
「あ! ごめんなさいっ、すみません!」
後ろへ飛ぶように離れた私の反応を見て大ウケしている裕隆さんから「隆好の身代わりになってほしいなら、一晩位相手してやるけど?」とからかわれてしまった。
「結構です!」
プイッと顔を背け頬を膨らませた私の目の前に、一枚の紙切れがヒラヒラとぶら下げられた。
「これ、なんですか?」
「見ての通り辞令だよ。来月からアンタが働くことになる職場への異動命令だ」
辞令の紙を受け取り目を通していると「本社近くの店舗でもよかったんだけど、せっかく本社勤務していたし。移動先の上司からも直々にアンタに来てほしいって指名を受けたからさ」と本社を離れることになる私を気遣うように、話してくれていた裕隆さんへ顔を向け答える。