・LOVER—いつもあなたの腕の中—
寝起きの私は、芽衣から「ねぇ、西田リュウに連絡しなくていいの?」と、尋ねられたけれど。
大きく首を振る。だってニューヨークへ行ってから音沙汰無しだよ? きっと向こうでも趣味を謳歌しているに違いないし、仕事だって忙しいのかもしれない。
そもそも最後に会った、あの日。私は確実にリュウの「大切な物」から弾き出されたも同然なのだ。リュウには大切な物が沢山あるから、私はその中に入れて貰えない。
「特別になりたい」だなんて高望みなど出来ないのは、百も承知だったけれど。
もしかしたら私に会いたくなって連絡して来てくれるかも、なんて。淡い微かな期待をしていた自分が居たことも事実だ。
けれど、そんな期待など今の私には、もう持ち合わせていない。とっくに諦めて、新しい道を歩き出した隆好に負けないように。自分の足で立ち、歩いて行こうと決めたから。
だから、下された辞令にも不服はない。置かれた先で頑張るのみだ。
ポンコツなりに……だけど。
いつも誰かに振り回されていた自分と、サヨナラしようと決めたのは私自身。
隆好のおかげじゃないし、隆好のせいでもない。「自立しよう」と思うだけでも、今の私は前に進める気がしている。
大きく首を振る。だってニューヨークへ行ってから音沙汰無しだよ? きっと向こうでも趣味を謳歌しているに違いないし、仕事だって忙しいのかもしれない。
そもそも最後に会った、あの日。私は確実にリュウの「大切な物」から弾き出されたも同然なのだ。リュウには大切な物が沢山あるから、私はその中に入れて貰えない。
「特別になりたい」だなんて高望みなど出来ないのは、百も承知だったけれど。
もしかしたら私に会いたくなって連絡して来てくれるかも、なんて。淡い微かな期待をしていた自分が居たことも事実だ。
けれど、そんな期待など今の私には、もう持ち合わせていない。とっくに諦めて、新しい道を歩き出した隆好に負けないように。自分の足で立ち、歩いて行こうと決めたから。
だから、下された辞令にも不服はない。置かれた先で頑張るのみだ。
ポンコツなりに……だけど。
いつも誰かに振り回されていた自分と、サヨナラしようと決めたのは私自身。
隆好のおかげじゃないし、隆好のせいでもない。「自立しよう」と思うだけでも、今の私は前に進める気がしている。