・LOVER—いつもあなたの腕の中—
受話器越しに耳を澄ませると、撮影現場なのか電話の向こうでは賑やかな声が聞こえている。
そういえばドラマ撮影の予定が入っている、とマネージャーさんが話していたっけ。
撮影現場を見ているわけではないけれど、遠くに聞こえている話し声から、和やかで楽しそうな場所なのだろうと想像が膨らむ。
『この前お願いしてた手帳、忘れないでね』
「大丈夫ですよ、ちゃんと用意して……あ、まだ庶務課だ! ごめんなさい、うっかりしてました。すぐ取りに行って忘れずに届けます」
約束したことは覚えていたものの庶務課に準備してもらう依頼を済ませたら、すっかり安心してしまっていた。
そうだった、庶務課からも早く取りに来るようにと連絡を受けていたんだっけ。
『いいねぇ、優羽のドジは健在だなぁ』
「すみません、返す言葉もありません。連絡いただいて助かりました」
『どういたしまして。もうすぐこっちに来るんでしょ? 俺も今から事務所に向かうから、後でね』
電話口で笑う西田リュウの声が楽しそうだから、私もつい「はい、後で」なんて。まるで友達に応えるように返事してしまっていた。
そういえばドラマ撮影の予定が入っている、とマネージャーさんが話していたっけ。
撮影現場を見ているわけではないけれど、遠くに聞こえている話し声から、和やかで楽しそうな場所なのだろうと想像が膨らむ。
『この前お願いしてた手帳、忘れないでね』
「大丈夫ですよ、ちゃんと用意して……あ、まだ庶務課だ! ごめんなさい、うっかりしてました。すぐ取りに行って忘れずに届けます」
約束したことは覚えていたものの庶務課に準備してもらう依頼を済ませたら、すっかり安心してしまっていた。
そうだった、庶務課からも早く取りに来るようにと連絡を受けていたんだっけ。
『いいねぇ、優羽のドジは健在だなぁ』
「すみません、返す言葉もありません。連絡いただいて助かりました」
『どういたしまして。もうすぐこっちに来るんでしょ? 俺も今から事務所に向かうから、後でね』
電話口で笑う西田リュウの声が楽しそうだから、私もつい「はい、後で」なんて。まるで友達に応えるように返事してしまっていた。