【完】溺愛体質の彼は私に好きと言わせてくれない
「確かに、絶対とは言いきれない。大人になればなるほど、気持ちのすれ違いだって起こる。別れる日だってくるかもしれない。だけどね依乃里。俺はそれでもいいと思ってる」





「なんで…」





悲しくならないの?離ればなれになった時の気持ちは昴さんだって身をもって知っているはずなのに。





「キミが好きだからだよ。好きだからこそ、キミの幸せを願いたい。俺から離れてキミが幸せになるならなんだっていい」





本来なら相手の幸せを願うことは辛く、苦しいもの。だけど昴はそんなの覚悟の上。





それは依乃里に告白する前から考えていたことだ。自分が辛くなろうと、依乃里が幸せならそれでいい。




それくらい昴の覚悟は強かった。





「私、昴さんを好きになってよかった。これだけ私のことを想ってくれる人は昴さん以外にいませんし、考えられない」






好きなら好きのままでいい。






未来のことなんて誰にも分かることじゃないし、そんな先のこと考えてたって不安がずっとそばにいるだけ。







今はこれでいいんだ。この人が好きでたまらない今を楽しめば。







困難なことがあっても、昴さんとなら乗り越えられる。困った時があったら相談すればいい。
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