【完】溺愛体質の彼は私に好きと言わせてくれない
素顔を相手に知ってもらうのはいいこと。ここでクヨクヨしていたら相手には到底気持ちは届かない。





楽しんでいる自分を見せることが今やれる精一杯のことなんだから…!







依乃里が向かう場所は駅から十分ほどのイベント会場。






そこは一年中イベントが行われている場所で、国民的アイドルなどのコンサートにも使われている。






会場に着くとそこには大勢の人がいて、今かいまかとイベントが始まるのを待っていた。






待ち時間の間は情報の交換、SNSにあげる写真を撮る人など様々。






中にはその様子を動画に撮っている人もいる。






「こんなに来てたんだね。凄いや」






あまりの規模に驚く昴とは正反対に興奮が止まらない様子の依乃里。







あっ、あそこは前に動画で観たことがある!あの人は前のイベントにもいた人だ。







確かSNSでイベントでの感想を書いていて、それが人気配信者の目にとまって一時期有名になった人だよね。







凄い...!






全部観ていたのと同じだ。この目で見るまで夢の世界と思っていた場所に私がいるんだ。







夢じゃなくて本当に。







「こーら勝手に動かない。心配するだろ」
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