【完】溺愛体質の彼は私に好きと言わせてくれない
在校生たちが八雲の掛け声で動き出し、慎重に機材を体育館に運び始めた。






何が起こっているか分からない新一年生たちはじっとその様子を見守っていた。






『今、在校生たちはある作業を行っています。皆さん、楽しみにしていてください』






状況を説明したのは依乃里。その一言で新一年生たちから不安がなくなり、安心した表情を見せた。






少しずつ、皆の表情が明るくなってきた。私も手伝わないと…!






「真帆〜これどこだっけ?」





真帆が運んでいたのは小型のスピーカー。小さいが、性能は十分高い。





「スクリーンの左右に置くんだって。佐恵香私も手伝うよ」






「ありがとう…!」
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