【完】溺愛体質の彼は私に好きと言わせてくれない
簡単に離したのは私が悪い。ほんの数秒前に昴先輩に離さないと約束したのも自分。






好きな人との約束を守れないなんて私最低だ。先輩の言う通り、気持ちはまだ届かないのね。







「…ごめん。今のはちょっとからかっただけなんだ」






「そ、そうだったんですね!びっくりしました」





そう、だよね。こんなことをするのはからかっていたからで、本当に悲しいとかそんなんじゃないよね。





パニックになりすぎて理解が追いつかなかったんだ。冷静に、冷静に……。





「本当にごめん」






「いいですよ。それより早く行きましょう。せっかく来たのに二人揃って暗い顔してたら配信者の皆さんに失礼です」







「そうだね榛名ちゃんの言う通りだ。行こうか、ちょうど開場時間になったみたいだし」







一度列を離れたので会場に入れたのはそれから十五分後。







中に入ると配信のスペースが沢山並んでいた。






そこでは生配信、歌にダンスなどいつも自分たちが配信でやっていることをお客さんの前でやっていた。







配信者の心得。






これから配信をやる人へのアドバイスとか注意することを教えてくれる配信者もいるんだ。







やっていることは違うけど、その中で共通しているのはお客さんの笑顔。
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